第94回選抜 広陵-敦賀気比の審判のミスは誤審? 図解で解説!
第94回選抜 広陵-敦賀気比。バントの判定で審判のミスがあったので図解で解説します。
野球のルールに詳しくない方は何が誤審?ってなると思いますので、野球のルールを交えて「何が間違いだったのか?」を確認してみてください。
確かにミスはありましたが、高校生の夢舞台の甲子園って素敵と思える審判団の判断の良さは非常に素敵でしたよ。
目次
第94回選抜高校野球 広陵-敦賀気比で起こった珍しいプレー
第94回選抜高校野球大会 3月20日におこなわれた広陵vs敦賀気比の対戦中に珍しいプレーがあり話題となっています。
先頭打者が出塁しランナーは一塁の場面。打者は送りバントをしましたがラインギリギリの転がったボールはファールゾーンからフェアゾーンに。
近くでボールを見ていたアンパイアは「フェア」の判定。しかし2塁の審判は「フェア」の判定で走者は1塁に戻ろうとしました。
しかし、アンパイアのジャッジを見て守備側はプレーを続けて、ランナーに「タッチ」してアウトになりました。
こんな経緯なのですが、文字でみるとわかりにくいし、野球を知らないと全くイメージできない珍しいで、何がミスで誤審?なのかよくわかりませんね(^^ゞ
どん・ぐりみ
そこで話題になっている広陵vs敦賀気比の対戦で起こった審判のミスを図解でわかりやすく解説しますね。
広陵-敦賀気比で起こった審判のミスを図解で解説!
まず、最初から頭の中にいれていきましょう。場面は下記の図のような場面です。
場面は2点リードしている広陵の攻撃。ランナーは1塁にいてバッターが「送りバント」をする場面です。
攻撃する広陵高校の作戦は?
ここで攻撃する広陵の作戦は、バッターはアウトになっても良いから、確実にランナーを2塁に進めたいというわけです。
そこで作戦としては「打者」はバントでボールを転がしてランナーを進め。バントした打者はアウトでOKという「送りバント(犠牲バント)」を選択したのです。
バントをしボールが転がったのは?
送りバントの作戦なので打者はバントをしたのですが、ボールはホームと1塁の線(ライン)ギリギリに転がっていきました。
図でみるとわかりますが、ホームと1塁を結んだ青い線の外側は「ファールゾーン」で、転がったボールをファールゾーン内で取ると「判定はファール」となります。
当初、広陵の打者がバントをした時点で先の外側に転がった感じだったので「ファールかな?」って誰もが思ったのですね。
時にボールが変な方向に進む!
ファールかな?と思った瞬間。コロコロと転がったボールが急に変なバウンド(イレギュラーバウンド)になって線の内側に転がってきたのですね。
ボールが青線の内側に転がってきた時点で守備側の敦賀気比高校はボールを捕球したのですね。
起こった審判のミスはこれ!
ここで審判の判定です。今回の審判は送りバントをしたバッターに近い「アンパイア」と、2塁の審判が関係しています。
まず、広陵の送りバントのボールに最も近くにいたアンパイアは、ボールがフェアゾーンに入った時点での捕球なので「フェア」を宣告しました。※正解
フェアだからプレーは続行します。
しかし、広陵のバントをした瞬間のボールの転がり方を見て「ファールかな?」と感じた2塁の塁審は「ファール」を宣告したのですね。
ファールの場合は、打者は1ストライクとなってプレーはやり直し。走っていた走者は元にいた1塁に戻されます。
1人は「フェア」もう1人は「ファール」と言った状況の図は下記。
ボールの近くのアンパイアだけがジャッジすれば?と思うかも知れませんが、ランナーは全力で前を向いて走っているので「2塁」の審判もジャッジを走者に伝える必要があるのですね。
審判のジャッジを見たランナーはどうした?
2塁にいる塁審が「ファール」と宣告したので、前を見て走っていたランナーは「ファールなら戻るね」と1塁にゆっくりと向かったのですね。
ランナーの行動も普通のことで塁審がファールと言っていたら何も疑わず1塁に戻ります。
アンパイアのジャッジを見た守備側はどうした?
一方でアンパイアのジャッジを見ていた守備側の敦賀気比は、アンパイアの判定を信じてプレーを続け、ゆっくり1塁に返ってくるランナーにタッチしてアウトにしました。
守備側の行動も普通で、バントのボールを捕球にいったキャッチャーの近くにアンパイアがいることもあってアンパイアのジャッジが目に入れば、そのジャッジのとおりに行動します。
つまり、ランナーも守備側も行動は普通のことなのでどちらにもミスはありません。
ここでのミスはやはりアンパイアと2塁の審判のジャッジが揃わなかったことで、判定は「どちらもフェア」か「どちらもファール」にならないといけないのですね。
第94回選抜高校野球 広陵-敦賀気比 審判は謝った!
第94回選抜高校野球大会 3月20日におこなわれた広陵vs敦賀気比での審判のミスでちょっと混乱が起こりましたが、ここで良かったのは試合を止めて話し合いミスを認めて謝ったことです。
下記のように審判団は説明をしました。
「ただいまのプレーについて、ご説明いたします。打球がイレギュラーバウンドでフェアゾーンに転がりまして、フェアの判定をしました。しかしながら、二塁の塁審が誤ってファウルのジェスチャーをしました。敦賀気比は打者走者を一塁でアウトにしようとした守備行為でした。私たちの間違いですので、止めた走者を二塁に進めて1アウト二塁でプレーを再開します。大変申し訳ございませんでした」
高校生にとって甲子園での戦いは「夢の舞台」ですので、こうしたミスでどちらかが我慢する結果になってしまうと悔いが残ると思いますが、今回は審判団の皆さんは、すぐにミスを認めて状況を加味した判断をされたのは本当に良かったと思います。
SNSでもミスを認めて謝罪する姿勢に賞賛も多く、素晴らしい判断をしてくれた審判団の皆さんが格好良かったですね。
どん・ぐりみ
第94回選抜 広陵-敦賀気比の審判のミスは誤審? 図解で解説!まとめ
いかがでしたか?
第94回選抜 広陵-敦賀気比。バントの判定で審判のミスがあったので図解で解説しました。
野球のルールに詳しくない方は何が誤審?と思ったかも知れませんが、人間がする判断ですので思い込みや、想定外のことでミスは起こるものです。
しかし今回の審判団の皆さんは、すぐにミスを認め謝罪し状況を考えた適切な処理をしたので、攻撃をしていた広陵。守備をしていた敦賀気比。そしてテレビを見ていた視聴者にとっても納得できる良い判断だったと思います。
ミスは仕方がない。
ミスをしたあとの対象が大切なことを高校野球から学んだ気がしますね。