1996年7月21日のオールスターでイチロー(投手)対松井(打者)という夢の対決になりそうでしたが、野村監督は松井の代打に高津投手を送りました。
これまで様々な憶測がありましたが2021年に、当時オールスター戦のベンチで野村克也監督の前に座っていた古田敦也さんが真実を明かしました。
その理由は「オールスターの権威・価値」を守るため。というのが理由らしいです。
オールスターでイチロー VS 松井の対決をなぜ野村監督は拒んだのか? 古田敦也が語った深い内容に納得です。
目次
オールスターでイチロー対松井を野村監督はなぜ拒んだ?
1996年7月21日のオールスター第2戦
パ・リーグが4点リードの9回2アウトという場面で、セ・リーグのバッターは巨人の主砲、松井秀喜の打席。パ・リーグを指揮する仰木彬監督が「ピッチャー、イチロー」を審判に告げました。
高校時代はピッチャーの経験もあり、プロではオリックスでライトを守っていたイチローの強肩は誰もが知るところ。
対する松井秀喜選手はすでに巨人・そして日本を代表する長距離打者でどちらもスーパースターの風格があり、そんな2人がオールスターで夢の対決をしそうな現実に球場はどよめきと大歓声がおこりました。
しかしピッチャーイチローがコールされた時点で、セ・リーグを指揮する野村監督はベンチを出てネクストバッターズサークルにいる松井選手に何やら話しかけました。
そして松井選手はベンチに下がり、代打で高津臣吾(投手)に交代。
結局、高津投手はショートゴロに終わりゲームは終了。イチロー(投手)VS 松井(打者)の対決は夢のまま終わりました。
イチロー対松井を野村監督が拒んだ理由 これまでの憶測
夢の対決となってしまったオールスターでのイチロー(投手)VS松井(打者)は、野村監督が拒んだと言われてきました。
これまでの憶測ではピッチャーがイチローに変わった時に松井選手と交わした言葉として下記のようなやり取りがあったという説が有力とされていました。
野村監督「お前に失礼だよな。打つか?」
松井「嫌です。」
野村監督「じゃ、代えるよ。」
松井「はい。」
万が一、プロの世界では外野手のイチローの球を日本を代表するバッターの松井が打てなかった場合、松井選手はずっと「イチローの球を打てなかった」「松井はダメ」などと言われる可能性もあります。
本職がバッターの松井選手の方が明らかにリスクが高く「打てて当たり前」と思われるでしょう。
だから野村監督が「万が一、打てなかったこと」を考えて「代打で高津投手」としたのも納得ができますが、その憶測はどうやら違うようです。
オールスターでイチロー対松井を野村監督はなぜ拒んだ? 古田敦也が明かした真実は!?
2021年に中居正広さん・出川哲朗さんなどが出演したあるテレビ番組で、このオールスターでのイチロー(投手)VS松井(打者)の対決の話になったのですが、そこでゲスト出演していた古田敦也さんが真実を話してくれました。
古田敦也さんはそのオールスターでもベンチでは野村監督の前に座っていたので信憑性は非常に高い話です。
実は松井選手は「打つか?」の問に対し「どっちでも良い」と言ったようで、松井選手は「嫌」とも言ってない。
野村監督が松井選手に代えて高津選手を代打に送った真実は・・・「オールスターの権威を下げないように」だそうです。
オールスターは夢の舞台 その権威・価値を守りたかった
プロ野球選手にとって、オールスターに選ばれることはまさに「夢」でありプロ野球選手として一流の実力がある証拠です。
「お祭り」のように考える人もいますが、野村監督はそんな夢舞台でのお遊びはオールスター・そしてプロ野球の権威が落ちてしまう。と考えたことが1番の理由だそうです。
いくらファンが見たくても、プロ野球選手なら誰もが目指す夢舞台だからこそ真剣勝負をしたいという選手の気持ちを考えてのことでしょう。
どん・ぐりみ
イチローが松井選手に怪我をさせる可能性もある
イチローは高校時代にピッチャーをしていたとはいえ、プロの世界では外野手ですからあくまでプロの投手ではありません。
普段から投手の練習をしているわけではないので、手元が狂って松井選手にデッドボールを与え怪我をさせてしまう可能性もあり、そんなことになってしまったらペナントレースへの影響もありますし、場合によっては選手生命に関わることもあります。
ですから松井選手のことを思って。というのも本当のところでしょう。
どん・ぐりみ
高津投手ならヤクルトの選手だから自分の責任
上記のデッドボールなどのことを考えた場合、監督であるノムさんの責任は免れません。
そこで自分のチーム(ヤクルト)の選手なら、仮にデッドボールで怪我をしたとしても野村監督が責任を取ることはできます。
もちろん高津投手も当時オールスターに選ばれるだけの実力があるヤクルトの絶対的な守護神でチームにも欠かせない投手でしたが、自分のチームの選手なら万が一、怪我をしても自分の采配で責任を取っていくことができると考えたそうです。
どん・ぐりみ
野村監督と仰木監督の考えの違いから起こった出来事!
野村監督も仰木監督も歴史に名を残す名監督でどちらの監督の考えも納得できるものです。
そして2人とも野球界のことを考えて決断したこと。
だからこそ、このオールスターでの夢の対決のことはずっと語り継がれているのでしょう。
仰木彬 監督の考え
- ファンが見たいものをオールスターで見せてあげたい
- 当時 二刀流なんてなかったのでイチローが投げるだけでも夢があった
野村克也 監督の考え
- プロ野球・オールスターの権威・価値を守りたい
- 松井秀喜選手に怪我をさせるわけにはいかない
それぞれの監督の信念があって実現しなかったイチロー(投手)対松井(打者)でプロ野球ファンの中でも賛否両論ある出来事ですが、これはこれでプロ野球の面白い部分なのかも知れません。
オールスターでイチロー対松井を野村監督はなぜ拒んだ? 古田敦也が明かした真実は!?まとめ
1996年7月21日のオールスター第2戦でイチロー対松井の夢の対決になりそうでしたが、野村監督は松井の代打に高津投手を送りました。
これまで様々な憶測がありましたが2021年に当時、オールスターで野村克也監督の前のベンチに座っていた古田敦也さんが真実を明かしました。
その理由は「オールスターの権威・価値」を守るため。というのが1番の理由らしいです。
このオールスターで夢の対決が見れなくてがっかりしたファンの方もいると思いますが、本当の理由を聞くとノムさんの考えも仰木監督の考えも、どちらも野球界のことを考えた結果ですから正解も不正解もないのかも知れませんね。