
森バジルさんの『探偵小石は恋しない』を読みました。本屋大賞2026で8位、発売から7日で重版がかかり10万部を突破した話題のミステリです。版元の小学館が「事前情報なしでお読みください」と言い切っているタイプの一冊なので、この記事もネタバレなしで書きます。
『探偵小石は恋しない』はどんな小説?(ネタバレなし)
小石探偵事務所の代表・小石はミステリオタク。でも実際に舞い込むのは不倫・浮気調査ばかりです。というのも彼には、色恋の案件が「病的に得意」な理由がある。相談員の蓮杖とともに調査を進めるうち、思いもよらない事件が動き出します(小学館、2025年9月刊/328ページ)。
著者の森バジルさんは2023年に松本清張賞を受賞したデビュー作『ノウイットオール あなただけが知っている』で知られる作家。本作は本屋大賞8位のほか、MRC大賞第1位、ユウハル賞なども受賞しています。
総評は★5。「小説だから成立する」トリックが面白い
総評は★5。何より、小説というかたちだからこそ成立するトリックであるところが面白かったです。映像でも漫画でもこうはならない。文章で読むという行為そのものが仕掛けに組み込まれていて、そこに素直に感心しました。
伏線は冒頭から堂々と張られています。ただ、読んでいる時点ではそれが誰のことなのか分からないので、そのまま通り過ぎてしまう。私は途中で「何かおかしいぞ」と察しはしたのですが、最後まで読み切ることはできませんでした。フェアに置かれているのに見逃す、この設計が見事です。
読み終えてから戻って確かめたくなる種類の本です。
どんな人におすすめか
いちばん勧めたいのはミステリ初心者です。込み入った事件でも難解な論理でもなく、文章も読みやすい。それでいて仕掛けの驚きはしっかり大きいので、「ミステリって面白いんだ」という体験を手軽に味わえます。
- ミステリを読み慣れていない人 — 難しい話ではないので身構えずに読めます
- 叙述トリックが好きな人 — 「やられた」と言いたい人向けです
- 読み返すのが好きな人 — 2周目の解像度が段違いです
読む前に感想やレビューを漁らないこと。それだけが唯一の注意点です。
まとめ:続編が楽しみな一冊
手軽に読めて、しっかり驚けて、読み終わったあとにもう一度開きたくなる。★5です。続編『探偵小石は戻らない』が2026年9月30日に発売予定なので、こちらもぜひ読みたいと思っています。
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