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メンズのオールインワンジェルの選び方|現役化粧品開発者が「成分表の読み方」と正しい使い方を解説

洗面台に置かれたメンズのオールインワンジェルのイメージ

洗面台に置かれたメンズのオールインワンジェルのイメージ

「スキンケアを始めたいけど、化粧水・乳液・美容液……と何本も買うのは面倒」。そんな男性に選ばれているのがオールインワンジェルです。1本で済むので続けやすく、ドラッグストアや通販でも種類が一気に増えました。

ただ、種類が多いぶん「どれも同じに見える」のも事実。この記事では、化粧品の開発に携わっている立場から、メンズのオールインワンの選び方を、男性の肌の特徴と成分表の読み方から解説します。最後に、通販で定番のZIGEN(ジゲン)のオールインワンフェイスジェルを例に、全成分表示を実際に読んでみます。

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男性の肌は「皮脂が多いのに、水分は少ない」

男性の肌の皮脂と乾燥のイメージ

オールインワンを選ぶ前に知っておきたいのが、男性の肌のクセです。化粧品メーカー各社が、男性の肌を測った結果を公表しています。

  • 花王:スキンケア研究所の調べで、男性の皮脂分泌量は女性の約2倍。水分量は、ほおや口もとを中心に女性より少ない傾向。皮脂が多いため水分をはじきやすく、保湿ケアだけではうるおいが角層に届きにくい、と説明しています。
  • 資生堂:日本とフランスで20〜50代の男性を調べた結果(2003年)、女性と比べて皮脂量が多い反面、水分蒸散量が多く、バリア機能が低下しているとまとめています。
  • マンダム:日本人男性の肌実態調査(2006年発表)で、男性の肌の悩みは年代を問わず「アブラ」と「乾燥」。皮脂量は60歳を過ぎても多いとしています。

つまり男性の肌は、テカるのに乾く。額や鼻はベタつくのに、ほおや口まわりはカサつく、という人が多いのはこのためです。

ここから、オールインワンに求めたい条件が見えてきます。

1. ベタつかないこと(皮脂が多い肌に重い油分を重ねない) 2. 水分を抱え込む保湿成分が入っていること(水分が逃げやすい肌に) 3. ひげ剃り後でもしみにくいこと(毎日のカミソリで肌表面が荒れやすい)

選び方1:テクスチャーは「ジェル」から試す

オールインワンには、ジェル・クリーム・乳液・ローションなどのタイプがあります。皮脂が多い男性の肌なら、まずは水分が主体のジェルタイプが使いやすいです。

  • ジェル:水が主体で、のびが良くベタつきにくい。脂性肌〜混合肌向き
  • クリーム:油分が多めで、乾燥がひどい人や冬向き
  • ローション(化粧水タイプ):さっぱりだが、乾燥しやすい人には物足りないことも

開発の現場でいうと、ジェルは水に増粘剤(カルボマーやキサンタンガムなど)を加えてとろみを出し、少量の油分を抱え込ませた形が多いです。同じ「ジェル」でも油分の量で使い心地はかなり変わるので、「オイルフリー」「さっぱり」などの表記や口コミのベタつき評価も参考にしましょう。

選び方2:成分表で見るべき3つのポイント

化粧品の成分表示を読むイメージ

化粧品の成分表示(全成分表示)は、原則として配合量の多い順に並んでいます(1%以下の成分は順不同)。オールインワンを選ぶときは、次の3点を見ると違いがわかりやすくなります。

ポイント1:保湿成分が「何種類・どのあたり」に入っているか

水の次にグリセリン、BG、プロパンジオールなどの保湿剤が並ぶのが一般的です。そこから先に、セラミド・ヒアルロン酸Na・コラーゲンなどの保湿成分がどれくらい入っているかを見ます。

なかでもセラミドは、肌の角層で水分を挟み込んでいる成分の仲間です。成分表に「セラミドNP」「セラミドAP」のようにアルファベット付きで書かれているものは、肌のセラミドと同じ構造のタイプです。配合率の読み方は「ヒト型セラミド5種を合計0.2%配合」は多いの?で詳しく解説しています。

ポイント2:ひげ剃り後に気になる成分が入っていないか

ひげ剃り後は肌表面が敏感になりがちです。エタノール(アルコール)やメントールは、さっぱり感やひんやり感が出る一方で、肌が荒れているときはしみることがあります。しみやすい人は、成分表の前のほうにエタノールがあるものは避けるか、一度腕の内側などで試してから使うと安心です。

ポイント3:「薬用」かどうか

「薬用」と書かれたオールインワンは医薬部外品で、有効成分が決められた量で入っています。肌荒れやニキビを防ぎたいなら選択肢になりますが、化粧品より効くと単純に言えるものではありません。違いは医薬部外品と化粧品の違いとは?にまとめています。

化粧品がうたえる効能は、国が決めた56項目の範囲に限られています。たとえば「肌を整える」「皮膚にうるおいを与える」「ひげを剃りやすくする」「ひげそり後の肌を整える」などです。 「シミが消える」「ニキビが治る」のような表現をしている化粧品は、それだけで少し注意したほうがいいでしょう。

選び方3:続けられる「量と価格」か

オールインワンは毎日使ってこそなので、1か月あたりのコストで比べるのがおすすめです。容量(g)と、メーカーが示す「約○か月分」の目安をチェックしましょう。

  • 1回の使用量の目安(例:小豆大、パール粒大など)
  • 朝晩2回使ったときに何か月もつか
  • 定期購入の条件(回数しばり・解約方法)

定期コースは割安になることが多いですが、「最低○回の継続が条件」のこともあります。合わなかったときに止められるか、申し込む前に確認しておくと失敗しません。

使い方:量は「ケチらない」、順番は「洗顔→ジェル→日焼け止め」

洗顔後にジェルを手に取るイメージ

せっかく良いオールインワンを選んでも、使い方で差が出ます。開発者の目線で、効果を感じにくくなる使い方とその直し方をまとめます。

1. 洗顔後、時間をあけずに塗る:顔を洗ったあとは水分がどんどん蒸発します。タオルで押さえるように拭いたら、すぐに塗りましょう。 2. 量はメーカーの目安どおりに:少なすぎると、手でこすって肌に摩擦がかかります。目安量を手のひらに取って、顔全体にのばします。 3. 乾きやすいところは重ねづけ:男性はほお・口まわりが乾きやすい傾向があるので、そこだけ少量を重ねます。テカりやすい額・鼻は薄めでOK。 4. 朝は日焼け止めを重ねる:オールインワンに日焼け止め効果がない場合は、最後に日焼け止めを。

なお、洗顔そのものも大事です。花王は、皮脂が多い男性の肌には、朝・晩に洗顔料で顔を洗うことをすすめています。 洗いすぎてつっぱる人は、夜だけ洗顔料、朝はぬるま湯という使い分けも試してみてください。

秋から冬にかけて「急にかゆい」「粉をふく」という人は、秋にかゆみ・肌荒れが増えるのはなぜ?も参考になります。

実例:ZIGEN オールインワンフェイスジェルの全成分を読んでみる

ここからは、通販で定番のメンズブランドZIGEN(ジゲン)のオールインワンフェイスジェルを例に、成分表を読んでみます。公式サイトによると、化粧水・美容液・乳液・クリームを1本にしたオールインワンタイプの保湿ジェルで、オイルフリーでサラッとした使い心地が特徴です。

項目 内容(公式サイトより)
内容量・価格 100g 4,400円(税込・約2.5か月分)/200g 7,980円(税込)
1回の使用量 小豆大程度
定期コース 2本セットから・2回目までの継続が条件
うたっている特徴 オイルフリー、男性のテカリ・脂性肌・ひげ剃り後のヒリヒリ対策に

全成分表示を開発者の目で見ると、次のような特徴があります。

  • 水・グリセリン・プロパンジオールが先頭。水が主体の、軽いジェルの組み立てです。
  • セラミドNP・NG・AP・AG・EOPの5種類が入っています。肌のセラミドと同じ構造のタイプです。
  • ヒアルロン酸Na、加水分解コラーゲン、水溶性コラーゲン、プラセンタエキスなど、保湿成分の種類が多めです。
  • グリチルリチン酸2Kも入っていますが、これは化粧品なので、公式サイトでも「整肌成分」としての扱いです。
  • メントールが入っているので、塗ったときにひんやり感がある可能性があります。荒れている日はしみないか少量で確かめると安心です。
  • 増粘剤はカルボマー・キサンタンガム・セルロースガム。ジェルのとろみはここから来ています。

「ベタつかないこと」「水分を抱える保湿成分」の2点はしっかり押さえた処方です。一方で、成分表からは各成分がどれくらい入っているかまではわからないので、使い心地は実際に試して確かめるのが一番です。初めてなら100gから、気に入ったら200gや定期コースへ、という順番がおすすめです。

よくある質問

オールインワンだけで本当に足りる?

皮脂が多く、乾燥がひどくない人なら、洗顔+オールインワン+(朝は)日焼け止めで十分なことが多いです。ほおや口まわりのカサつきが気になるときは、その部分だけ重ねづけするか、乾燥がひどい季節だけクリームを足しましょう。

女性用のオールインワンを男性が使ってもいい?

使って問題はありません。ただ、女性向けは油分が多めでしっとりした使い心地のものも多く、皮脂が多い男性の肌だとベタつきを感じることがあります。迷ったら男性向けの、さっぱりしたジェルタイプから試すのが無難です。

ひげ剃りの前と後、どちらに塗る?

基本はひげ剃りの後です。剃ったあとは肌表面が敏感になっているので、洗い流してから、こすらずにやさしくのばします。しみる場合は、メントールやエタノールが入っていないものを選びましょう。

化粧水を先に使ったほうがいい?

オールインワンは化粧水の役割も含めて作られているので、基本的には不要です。「導入美容液」などを足すべきかは、導入美容液は意味ない?で開発者目線の見分け方を書いています。

まとめ|メンズのオールインワンは「ベタつかない保湿」で選ぶ

メンズのオールインワンジェルの選び方をおさらいします。

1. 男性の肌は皮脂が多いのに水分は少ない(各社の調査) 2. まずはジェルタイプから。オイルフリーやさっぱり系が使いやすい 3. 成分表では保湿成分の種類、エタノール・メントールの有無、薬用かどうかを見る 4. 1か月あたりのコストと定期購入の条件を確認する 5. 量はケチらず、洗顔後すぐに塗る

1本で済むからこそ、毎日続けられるものを選ぶのがいちばんの近道です。

参考(一次情報)